新世代の指揮者 ― 2019年01月01日

 Claudio Abbadoが他界してから早くも五年になろうとしている。当初は、大きな存在を失ってしまった虚しさゆえに、音楽会にも行けなくなってしまった。とはいえ、いつまでも引き籠もっているわけにはいかない。前に進まなければ何も生まれない。かくて、その後も細々と演奏会に通い続けている。
 五年間で世界は随分変わった。音楽の世界でも世代交替が進んでいる。かつてアッバードの演奏を聴くのを楽しみにしていた方々は、今は誰の演奏会に通っているのであろうか。調査することができたら興味深い結果が得られるかも知れない。好みはかなり分散することと思われるが、若い世代では、アッバードと関係の深かったグスターボ・ドゥダメルやアンドリス・ネルソンスの名は挙がりそうである。
 ちなみに編集生自身は、新世代の指揮者で好きなのはダニエル・ハーディングである。アッバードがいなくなって一年半後に、ハーディングの指揮でマーラーの第二番を聴いた。時に、アッバードの「ルツェルンの復活」が反響しているような気がしたのは、気のせいであったろうか。

コメント

_ みらい ― 2019年07月18日 00:24

辻野様、ご無沙汰しております。ルツェルン・フェスティバルやマーラーチェンバーのローマ公演遠征などのことで何度か相談した者です。
お元気でいらっしゃいますか?
ブログを再開されたこと、大変うれしく思います。

「かつてアッバードの演奏を聴くのを楽しみにしていた方々は、今は誰の演奏会に通っているのであろうか。」
この質問にお答えします。

一人を追いかけるということはしていませんが、それでも私の現在の「追っかけ」筆頭は意外かもしれませんが、シャルル・デュトワです。
デュトワは2003年に実演を聴き、それから何度か聞いて遠ざかっていたのですが、2010年に久しぶりに聴いてからどんどん取りつかれてしまいました。
アバドとデュトワ、音楽づくりには似ている点と似ていない点がありますが、取り上げる作品、共演するソリストは非常によく似ています。
N響の定期公演では、2013年以降、ベルリオーズ「テ・デウム」、ドビュッシー「ペレアストメリザンド」、ベルク「バイオリン協奏曲」、マーラー交響曲第3番、ビゼー「カルメン」、メンデルスゾーン交響曲第3番など、どれもアバドの十八番を取り上げて下さっています。
よく共演するソリストはマルタ・アルゲリッチ、ユジャ・ワン、ゴーティエ・カプソン、最近ではアンナ・プロハスカなど、アバドとよく共演していた演奏家ばかりです。
ご存じのとおり、デュトワは2017年暮れにスキャンダルのため演奏活動をできない状況になってしまいました。現在でもアメリカ、イギリスを中心に活動できない国は多いのですが、それでもロシア、中国、スイス、フランス、ドイツ等、再び活動できるようになり、先日は別府、大阪でも公演を行いました。私も、昨年の上海での復帰公演、ソウルでの公演、別府、大阪に駆けつけ、復帰のお祝いと東京にもまたぜひ来てほしいとご本人に直接伝えました。
現在のデュトワの活動拠点になっているサンクトペテルブルク・フィルの演奏は、是非本拠地でも聞いてみたいと思っています。
また、アバドの情報を探すときに辻野さんにだいぶ助けていただいたので、いま私はデュトワに関する公演情報や記事等を積極的に、なるべく偏りがないように、SNS上で発信し、「デュトワのことならあの人に聞こう」と頼っていただける存在を目指して奮闘しています。(スキャンダルに関する見解はここでは控えますね。)

デュトワ意外ですと、聴いた中ではエド・デ・ワールト、小澤征爾、メータ、ドゥダメル、ハーディングが良かったです。
デ・ワールトはまるでルツェルン時代のアバドのようなしなやかな音を出すと私は思っていますし、今年3月のハーディング指揮マーラーチェンバーのシューベルト、ブルックナーは私も素晴らしいと思いました。アバドによく似ていますが、真似ではなく、ハーディングの個性も感じられるところが興味深いです。マーラーチェンバーの来日公演は必ず行っていますし、ハーディングとの演奏をまた聞きたいと思っています。

まだ実演を聴いていない中では、キリル・ペトレンコ、フルシャ、テミルカーノフを聴いてみたいと思っています。

長文になってしまい、すみませんでした。ご参考になれば幸いですし、近い将来アバドファンの皆さんと集まれることを楽しみにしています。

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