蒔いた種は実る ― 2019年03月31日
アッバードは現代音楽の初演をしばしば行っていたが、一方で、長いこと忘れ去られていたオペラの復活蘇演にも熱心であった。ロッシーニ『ランスへの旅』、シューベルト『フィエラブラス』。演奏が高く評価される一方で、珍しい作品を取り上げてもその後に劇場のレパートリーとして定着するとは限らない、と皮肉な見方をする向きもあった。それから三十年余り。『ランスへの旅』はヨーロッパの歌劇場のみならず、日本でもちゃんと上演されている(最近では2015年に藤原歌劇団がアルベルト・ゼッダ指揮で上演)。『フィエラブラス』は、2014年ザルツブルク音楽祭で上演され、同じ演出で2018年にスカラ座で再演された(指揮者と歌手は異なる)のが記憶に新しいが、それ以前にもヨーロッパ各地の劇場で取り上げられている。いずれも、歌劇場のレパートリーとして定着している。
蒔いた種が実るには時間がかかるのである。十年そこそこで評価してはいけない。これはなにも芸術に限った話ではない。学問の分野でも同様である。短期的な成果のみを要求して、それに応えられないものを切り捨てていたら、貴重な芽を摘むことになりかねない。
蒔いた種が実るには時間がかかるのである。十年そこそこで評価してはいけない。これはなにも芸術に限った話ではない。学問の分野でも同様である。短期的な成果のみを要求して、それに応えられないものを切り捨てていたら、貴重な芽を摘むことになりかねない。
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